住まいの特徴
ドイツに学ぶパッシブハウス
パッシブハウスってなに?
パッシブハウスとは、ドイツや北欧で実用化されている高性能な省エネルギーの建物です。日本では「無暖房住宅」とも言われています。設計・構造で断熱や気密、自然の風や光の取り入れを重視した ” パッシブ(受け身)” な省エネ住宅を目指し、各国の法規によって定められた省エネスタンダードよりもはるかに上を行くこのシビアな省エネ基準は、その経済性が実証されドイツやその他EU各国で大きく普及してきています。
「エネルギーの使用は極限まで減らしながらも、快適性は決して犠牲にしない」
これこそがパッシブハウスが省エネ建築の世界において最も注目される理由です。
ドイツの住宅性能とは…
環境先進国ドイツは、建築分野における環境政策に関しても、国をあげて積極的に推進しています。環境と住まう人の快適さにとことんこだわった、ドイツのパッシブハウスは、断熱性能を含め世界でトップクラスと言われています。
スマートハウスとパッシブハウス
次世代の省エネ住宅とされる「スマートハウス」。
屋根の上で輝く太陽光発電パネルや家電のエネルギー消費量をリアルタイムで表示・管理するHEMS(家庭用エネルギー管理システム)、蓄電池といったデバイス満載の住宅を思い浮かべる人は多いはずです。
しかし、前提となるのはあくまで “省エネ性能を追求” した建物であり、設計・構造で断熱や気密、自然の風や光の取り入れを重視したパッシブの概念が根底にはあるのです。
日本の基準は4倍緩い?!
ドイツ、スイスでは太陽熱温水器の利用が一般的であり、各国ごとに一次エネルギーの項目も異なるため、ここでは【暖房】と【換気(熱交換有)】の状態で、PEF も日本と同じ数値に換算して比較してみましょう。(次項の赤枠参照)
こうしてみるとパッシブハウス基準とミネルギーP基準はほぼ同等であることがわかります。 逆に日本の場合、パッシブハウス基準と比較すると緩い基準となっていることがわかります。
トップランナー基準 | 低炭素基準 | 改正省エネ基準 |
2.64 倍 | 3.44 倍 | 3.88 倍 |
日本の基準は義務基準、パッシブハウス基準とミネルギー基準は民間基準なので同列で比較することは酷ですが、これだけの差があるのです。
暖房負荷で比較
暖房負荷は主に「断熱性」「気密性」「日射取得」で決まります。 暖房負荷単体でみると、一次エネルギーの比較以上に差が大きいことがわかります。トップランナー基準の外皮性能をもってしてもパッシブハウス基準からすると4倍緩く、改正省エネ基準だと6倍も緩いことがわかります。
「日本の基準では同じ温度を維持するのに4 倍もしくは 6 倍のエネルギーが必要となる」
実際に日本の住宅メーカーも含めて暖房負荷を表示している「建もの省エネ健康マップ」を見ても、ほとんどの大手メーカーは暖房負荷が80~95kWh/㎡となっているのです。